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精神患者のなりすましって見抜ける?ローゼンハンの社会実験とは

精神疾患の”フリ”は医者に通用する?

皆様こんにちは!

メンタル最強と自他ともに認める(?)amuuです笑

さて、突然ですが犯罪者などが減刑される条件として、よく心神耗弱心神喪失などが挙げられますよねぇ?

ちなみに…
 
心神耗弱=精神の障害がまだこのような能力を欠如する程度には達していないが、その能力を著しく減退した状態
心神喪失=精神の障害により事物の理非善悪を弁識する能力(弁識能力)またはその弁識に従って行動する能力(制御能力)のない状態
 
のことを言います✨

この精神状態というのは、心が目に見えない以上、果たして正しいのか?間違っているのか?ものすごく判断が難しいとされています。

では仮に精神疾患になりすます人が現れた時、果たして精神科医は見抜くことができるのでしょうか。

これを検証した有名な実験が、タイトルにある「ローゼンハンの社会実験」です。

この実験をご存知の方もそうでない方も、ぜひ楽しんでいただけると嬉しいです♪
 
それでは不思議な精神の世界へレッツゴ〜!!🌸

ローゼンハンの社会実験とは?

そもそもこのローゼンハンの社会実験とはどのようなものなのでしょうか?

早速みていきましょう!

実験の概要

この実験はアメリカで行われ、1973年のサイエンスという雑誌に「狂気の場所の正気の存在(”On being sane in insane places”)」というタイトルで掲載された、非常に有名な実験です。

実験者は心理学者・精神科医のデイビッド・ローゼンハンという人物🧪

そして、この実験のテーマは「精神科医がなりすまし患者を見抜くことができるのか?」というものです。

つまり、ある意味自分自身の仕事が妥当なのかどうかを、自らで実験したということですね!

この実験は大きく2部構成となっています。

  • 第1部:精神障害者になりすまして精神病院に入院することは可能か?
  • 第2部:ニセ患者を送り込むフリをして、実際には本当の精神疾患を抱えた患者のみを送り込んだ場合、病院側は見抜けるのか?

ローゼンハンは常々「精神科医の技量が人の人生を左右するほどの、権力を持っているのか?」と疑問を抱いていたようです。

確かに、裁判で責任能力の有無を判断したり、内服薬で感情の起伏をコントロールしたりできるのですから、精神科医というのは一歩間違えれば人生を狂わせる能力を持っている、と言えなくもありません。

(※正確には日本の法律では責任能力の有無は裁判所が判断している)

では早速、具体的な実験の内容を見てみましょう!

第1部:精神障害者になりすまして精神病院に入院することは可能か?

第1部で患者になりすます人物は、主婦や学生など3名の女性+5名の男性=計8名です。

なんとローゼンハン自身も、実験に参加しました。

この疑似患者の8人は、幻聴が聞こえるフリをして「ドスンと聞こえる」「人の声が聞こえる」などを精神科病院で訴えます。

それ以外は、ごく普通に話し、ごく普通に行動していたそうです。

流石に、それだけじゃバレるでしょ〜?ただの空耳かもしれないしねぇ…

まあ普通は、そう思いますよねぇ…?

しかし、なんと結果は8人全員が入院となり、1名は躁うつ病、7名は統合失調症と判断されてしまったのです!!

ええ〜!!嘘でしょ〜!?!?

これが本当だからびっくり…笑

そして、この疑似患者たちは入院後すぐに患者のフリをやめて「幻聴は聞こえなくなった、気分が爽快になった」など症状が良くなったと伝え、看護師や医師に健全であるアピールをできる限り行いました。

しかし、疑似患者たちはすぐに退院できることはなく、最短で1週間、最長でなんと52日も入院生活を送ることになりました。

しかも、退院の条件として「自らが精神疾患であると認識すること」「向精神薬の内服をきちんと行うこと」を提示され、それを呑んだ上で退院となりました。

ちなみに入院中の内服薬は、(ローゼンハンが事前に指導を行って)トイレに捨てるなどしていたそうです。

しかも、この疑似患者たちは実験のために入院生活をノートに記録していたのですが、それすらも統合失調症の症状である筆記行動と勘違いされたのだとか!!

一度精神疾患と診断されると、全て病気の症状に認定されてしまうのですねぇ…😱

ちなみに「この8人の疑似患者たちが健康な人ではないか?」と気づいていたのは、同じく精神科病院に入院している患者たちのみだったそうです。

病院側の思い込みというのは恐ろしいですねぇ…💦

そして、この実験を知ったとある精神科病院が怒り「うちではそんなことはない!!」とローゼンハンへ宣戦布告します。

これをきっかけに、実験の第2部が幕を開けます。

第2部:ニセ患者を送り込むフリをして、実際には本当の精神疾患を抱えた患者のみを送り込んだ場合、病院側は見抜けるのか?

第2部では、ある意味1部の逆です。

実際には本当に精神疾患を抱える患者のみが受診しているにも関わらず、その中にニセ患者が潜り込んでいると思わせます

その上で、「全員が本当の患者さんであるかどうかを見抜けるか?」というもの。

ローゼンハン、賢いですが性格悪い😂

痛いとこついてくるよねぇ…
そして、なんかこの実験の雲行きも怪しいな〜…

この結果はある意味予想通りで、病院側は193名の新規患者さんのうち41名を疑似患者の可能性があると判断し、他の42人にも疑似患者ではないかという疑いをかけました

あちゃ〜😓
めちゃめちゃ誤診してる〜!!

期待を裏切ることなく、193名のうち約半分を疑似患者だと疑ってしまうという顛末…

ただし、本来患者さんは嘘をついてまで本来病院を受診しませんし、病院側も患者さんを疑ってかかることはありませんから、この実験が必ずしも正しいかと言われれば賛否両論があると思います…😓

しかしなんとなく、ローゼンハン実験の結論は見えてきましたね!

実験による結果

実験の結果、ローゼンハンは

  • 精神病院施設内において正気と狂気を区別することは不可能である
  • 精神病院内において人間のラベリング(決めつけ、偏見)、および人間性を損なう危険性が存在する

と結論づけました。

ただし、先ほども申し上げた通り患者さんは嘘をつくことがほとんどないでしょうし、病院側も通常ならば患者さんを疑ってかかることはありませんから、この実験が必ずしも正しいとは言えません。

また冒頭で述べた通り、仮に犯罪者が精神疾患のフリをしたとしても、最終的に責任能力の有無を判断するのは裁判所ですので、医師の意見は参考程度で他の証拠から処罰を決定します。

ですので、犯罪者が罪を逃れる方法として精神疾患を装うのは不可能に近いと言えるでしょう。

最後に

というわけで、本日はローゼンハンの社会実験についてまとめてまいりました!

少しでも楽しんでいただけると嬉しいです💌

精神関連の実験はなかなか興味深いものが多いですので、また記事にしようと思います💓

それでは本日もありがとうございました!

またお会いしましょう👋

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