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【創作ストーリー】天才のグラデーション第4話〜巧言令色、鮮なし仁〜

『これは間違いなく夢だな』

久しぶりにあの子と話したから、いつの間にか寝てしまったようだ。

明晰夢で、初めていいところに来た。

空気が澄んでいて、透明な場所。

Qはとりあえず進むことにした。

どんどん進んでいくと、吊り橋が見えた。

大好きな吊り橋を前に、Qは初めてビビッドカラーになった。

鮮やかな吊り橋タイムを終えると、少し開けた場所に着く。

すると突如、走馬灯が走った。

思い返せば、自分は研究のために生きてきた。

遊びに行ったこともない。

旅行に行ったこともない。

でも、研究のために海外へ行ったことはある。

『…』

AANを開発したのは自分のためだったのに、人類のために変わっていた。

そして、自分が心を失っていく間に、他の人類は心を満たしている。

自分1人さえ鮮やかにできない私が、他の人類を鮮やかにしている。

『変な世界。人のために生きることが美しいと誰が定めたのか?』

夢の中では正直に、真っ白になれる。

走馬灯が終わると、目の前に美しい小川が広がっていた。

Qは息を飲み、深呼吸する。

爽やかな緑色の心と、エメラルドグリーンの川がコラボレーションする。

『夢から覚めないと。』

そう呟くと、勢いよく小川へ飛び込んだ。

目覚めると、モコがスマホを枕に寝息を立てている。

モコの顔を少し避けると、時刻は3:00を示していた。

Qは起き上がり、mokoにさっきの緑色を登録する。

そして緑色のプラネタリウムを見ていると、緑色の空から声が聞こえた。

“巧言令色、鮮なし仁”

Qはこちらでも、ビビッドカラーになれた気がした。

つづく

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