みなさまこんにちは!
電子書籍より、紙の本が好きなamuuです。
さて、本日は最近どハマりしている、インスタントフィクションについての記事となっております!
私がインスタントフィクションにハマったきっかけというのは、タイトルにあるYouTubeチャンネル「ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル」がきっかけです。
こちらのチャンネルは2022年3月現在で登録者数約30万人、動画再生回数約2500万回を誇る大人気チャンネルです。
動画内ではピースの又吉さんが、髑髏万博(しゃれこうべばんぱく)先生に扮し、文章の面白さを伝えてくれるチャンネルとなっています!
そんな興味深いチャンネルで、特に人気のインスタントフィクションを集め、髑髏先生の解説やポイントをまとめてみました。
楽しんで頂けると嬉しいです!
〜目次〜
インスタントフィクション#1「イケメンカフェ」
1つ目のおすすめインスタントフィクションは「イケメンカフェ」です!
「イケメンカフェ」
私の名前は山田花子。
カフェ巡りが趣味の22歳。
行きつけのカフェは大学のそばにあって、
イケメン店員が多いことで知られている。
中でも月曜から木曜までのそれぞれの日に入っている
「イケメン四天王」の人気は
すごいものだ。
それぞれのイケメンを
芸能人に例えると、月曜菅田将暉君、
火曜平野紫耀君、水曜成田凌君、
木曜吉沢亮君。
その上には彼らをまとめる店長、
長瀬智也様がいる。
お昼時にはこの店の
バインミーサンドイッチを求めて女子の大行列ができる。
でも彼女たちの本当の目的は、
むしろイケメンたちに
バインミーされることにある。
私の番が来た。
凌「こんにちは!ご注文はお決まりですか!」
私「えと、あ、ばいんみ、ばいんみいっこで」
凌「ノーマルバインミーをお一つで2500円になります!セットのコーヒーはいかがですか?」
私「は、ください」
凌「では3800円です!」
そして今夜も、
バインミーサンドは猫の餌になる。
作者:バーテンダー・女性
ネット掲示板の書き込みが小説に?【#1 インスタントフィクション】
こちらは一見、カフェに通う女の子のお話に見えますが、読み解いていくと実は違った一面が見えてきます!順番にポイントを見ていきましょう💓
名前
まず、この物語を読み解く上で気になるのが名前です!
主人公の「山田花子」というよく聞く空想っぽい名前に反して、イケメンたちは菅田将暉くん、平野紫耀くんなどという現実味のある名前が使用されています。
もしかすると、ホストクラブのネット掲示板などに書かれた文章で、山田花子さんと言う空想っぽい名前は匿名性を秘めているのかもしれません。
山田花子=「名無し」さん、と言うわけです。
4日間
このお話では、1週間ではなく月曜日〜木曜日のイケメンたち=イケメン四天王が紹介されています。
なぜ7日間ではなく、4日間のみになっているのか?
言い方を変えると、主人公はなぜ月〜木はイケメンカフェに行くのに金〜日は行かないのか?
気になるポイントです。
値段が高いメニュー
バインミーサンドイッチとは、ベトナムのサンドイッチです。
サインドイッチが2500円、コーヒーとセットで3800円というかなり高い料金設定であることがわかります。
これがリアルの値段なのか…それとも実際にはもっと高額なものを例えているのか、気になるポイントです!
おまけ:私の考察ポイント
イケメンの名前ですが、「月曜菅田将暉君」と全て漢字で書かれていることが分かります。
普通はこんなに漢字で詰めずに、「月曜日は菅田将暉くん」と書く人が多いのではないでしょうか?
ひらがなにすると砕けた=フレンドリーな感じが出ますが、漢字にすると堅苦しい=尊敬や憧れを持った表現になっていると感じます!
「イケメンカフェ」まとめ
上記のポイントをまとめると1つの答えが見えてきます。
それは、イケメンカフェというのは実は「ホストクラブを指しているのではないか?」ということです。
そして、この山田花子さんは「月〜木以外の金・土・日は働いて、ホストクラブへ行くためのお金を貯めているのではないか?」と予想できます。
そうすると、カフェ巡り=ホスト通い、大学=仕事と置き換えることができます!
そして最後の「バインミーサンドは猫の餌になる」という表現からも、山田花子さんがバインミーサンドを食べておらず、猫=指名しているホストの糧になっていることが分かります。
つまり、大金をかけてホストを満足させる話ではないか?と妄想解釈できるわけです!
インスタントフィクション#4「子供へ」
2つ目のおすすめは「子供へ」です!
こちらの動画はインスタントフィクションが素晴らしいのはもちろん、前置きで髑髏先生が文章の面白さについて語っている内容も魅力的です。
- 文章はわからないから面白い
- 作者の気持ちを理解する必要はない
- 読み手の解釈が、作品に深みを出す
といった内容なのですが、文章が苦手な方も「はっ」とさせられる内容になっております!
では早速、作品を見ていきましょう!
「子供へ」
子供へ
私は君が建築士になりたいと
志していることを心配しています。
僕は反対した時君は「医者になれ」と
言われた気がしていると思っているが、
そうじゃないんだ。
「君が本当に建築士になりたいのか」を
知りたかったんだ
田舎町なんだから、
親が医者なら子も一緒だと思われて
当たり前だろう。
建築士になりたいなんて言ったら、
町の人も学校の友達も、
みんなみんな
理解してくれないんじゃないかと思ったんだ。
周りの意見や陰口に耐えられるのか
知りたかっただけなんだ。
この場を借りて誤解を解こうと思う。
作者:50代、男性、医師(内科医)
父にリベンジしてる文章が父にそっくり…【#4 インスタントフィクション】
ぱっと見の印象が、人によってかなり違いそうな文章ですね!
ではポイントをまとめていきましょう♪
子供へ
まずは気になるタイトルです。
普通、子供を「子供」とよぶ親はいません。
名前(偽名など)ではなく、あえて「子供へ」というタイトルにした理由は、関係性を明確にしたいという意図を感じます。
つまり「子供へ=私は親だ」と言い換えるっことができます。
そして「親の言うことを聞くのが子供だろう」と言う圧力を、タイトルから感じます。
親が医者なら子供も医者が当たり前
この文章は一見、親が子供の誤解を解こうとしているように見えます。
しかし、「親が医者なら子供の医者が当たり前」
「みんなみんな(建築士になりたいことを)理解してくれない」
「周りの意見や陰口に耐えられるのか」
といった文章からも、医者になれという圧力を感じます。
文章の構成が「間取り」!?
この子供は、もともと建築士になりたかったようです。
そこから少し妄想を広げてみましょう。
そのため実はこの文章は、建築的に作られているのではないかと予想できます。
父にリベンジしてる文章が父にそっくり…【#4 インスタントフィクション】
仮にこの文章が上記のような間取りに例えられているとしたら…
玄関は楽しそうなのに、キッチンですでにシリアスな空気が流れ、リビングはさらにシリアスです。
寝室では、子供がずっと医者になったほうがいいのか、建築士になるべきか、悩んでいます。
そして、穏やかに見える勝手口に通じているわけです。
「子供へ」まとめ
まとめると、これは子供が親に復讐して書いた文章であると思われます。
自分が志した「建築士」を諦め、医者になった子供が親に対抗すべく、建築的な文章で仕返ししているのです。
しかしこの作品は、父親が言ったセリフをもとにした文章になっているため、実際に父親が悪者かどうかは読者に委ねられています。
つまり、「俺は父親に圧力をかけられたぞ!」とも受け取れるし、
「まあ、親ならこれぐらい心配で言ってもおかしくないかな〜?」とも取れるわけです。
つまり、無言の圧力で子供が医者になるように仕向ける父親と、父の文章を用いて父親が悪者に見えるよう仕向ける子供、結局は似たもの同士であることが伝わってきます。
親子の軋轢を感じつつも、血は争えないと感じる、奥深いインスタントフィクションです!
インスタントフィクション#7「いつもの朝」
おすすめ3つ目は「いつもの朝」です!
こちらは、かなりびっくりする内容となっています。
早速見ていきましょう!
『いつもの朝』
朝7時、アラームの音が、私に1日の始まりを告げた。
起床するとすぐ、洗面所へ向かい、うがいをする
トーストされた食パンを食べ、
トイレをし、スーツに着替える
これが平日の朝の日課である。
何も変わらない、退屈な日常。
いつもより5分ほど遅れて、自宅のアパートを出発した。
駅への道を、早歩きで進んでいく。
すると、道中のゴミ箱に、
女子高生が逆さまの状態で
捨てられているのを見つけた。
スカートがめくれ、露わになっている白いパンツ。
硬直し、動く様子のない脚。女子高生の顔は、
ゴミに隠れていて、見えない。
「おかしい。今日は木曜だから、男子高生の日なのに」
女子高生を生ゴミのように捨てる…異常な世界の中の違和感【#7 インスタントフィクション】
大体「いつもの」とかつく作品は、変なことが起こります笑
ではポイントを見ていきましょう!
高校生が捨てられる世の中
この文章で一番気になるのが、高校生がゴミとして捨てられていることです。
しかし、主人公は高校生のことをゴミとは認識しておらず、
「スカートがめくれ」「パンツが露わに」など、きちんと人間として扱っていることが読み取れます。
私たちの世界とは違う一見おかしな世界なのに、わたしたちと同じ普通の感覚を持っているのです。
つまり、このお話の主人公は「この世界に慣れていないのでは?」と予測できます。
いつもの日常?
タイトルが「いつもの朝」「何も変わらない、退屈な日常」と言うように、ものすごく日常感を強調しています。
しかし「いつもより5分ほど遅れて」と書かれており、あれだけ「いつも」を強調しているにもかかわらず、5分遅れている理由が気になるところです。
この5分間で、主人公は一体何をしていたのでしょうか?
その答えはズバリ、主人公はこの遅れた5分で男子高生を捨てていると予想できます!!笑
なかなか衝撃的ですが、上記を踏まえてまとめを見ていきましょう💓
まとめ
この文面から見るに、この世界では木曜日は男子高生を捨てることが決まりとなっています。
しかし、主人公はこの決まりにまだ慣れていないので、捨てることに動揺しています。
つまり、動揺を隠すために、平静を装うために、
「いつもの」「何も変わらない退屈な日常」と言った表現を、
わざわざ強調して書いているのです。
主人公としては
「決まりだから捨てたけど、別に自分のせいではなくて、システム上仕方なく捨ててるんだよ!」
と強調したいわけです。
そして、主人公が男子高生をなんとか捨て終えた後、女子高生が捨てられているのを発見してしまいます。
そこで、動揺がピークに達します。
急にわたしたちと同じ感覚が戻ってきて、最後の「おかしい」と言う感覚に通じるわけです。
髑髏先生のさらに妄想解釈
髑髏先生は、この文章からストーリーを創作しています。
近未来の日本では少子高齢化が進み、子供をテクノロジーで作成するようになった。 しかし、ある年代の子供には犯罪に走ってしまうことが判明した。 そのため、その年代に生まれた子供たちは間引く必要ができた。 そして、高校生をゴミの日に出すと風習ができた。
あくまで創作であるものの辻褄の合うストーリーであり、さらにこのインスタントフィクションを面白くしてくれます。
髑髏先生は作品を何度も読み返すそうで、多いと同じ本を20回読むこともあるそうです👀‼️
3〜5回なら私も経験がありますが、20回は凄すぎます‼︎
妄想解釈ができるようになると、文章が楽しく好きになれます💓
苦手な方も、一度このような短い作品からチャレンジしてもらえると嬉しいです!
さいごに
さて、本日は最近人気の「ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル」より、お気に入りのインスタントフィクションを集めてポイントとともにまとめてみました!
少しでも楽しんでいただけると嬉しいです。
又吉さんの本もインスタントフィクションのように読み込むと面白くておすすめです!
ちなみにオリジナルインスタントフィクションも作っています!
それでは本日も最後までご覧いただきありがとうございました!
またお会いしましょう👋
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